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4.6 ロジック(イベント)

ここでは、イベントに関するロジックコンポーネントについて説明します。

4.6.1 イベントデータ#

収集したデータを条件判定し、条件合致した場合のみ、新たに別データとして登録するコンポーネントです。

4.6.1.1 基本情報#

イベントデータの基本情報は、次の通りです。

項目 説明
ベース名 イベントデータ
説明 収集したデータのうち、条件合致したものだけを、新たに別データとして出力します。
※別のデータとして登録するため、メモリ使用量等は増加します。高サンプリングレートデータをそのまま扱いたい場合には不向きです。
消費ポイント 2
ポート 入力:1
他のコンポーネントからデータを受け取ります。

出力:1
受け取ったデータのうち、条件合致したものを出力します。

システム:1
コンポーネントの稼働状況やエラー情報を出力します。出力するエラー情報の詳細は、「エラーコード一覧」をご覧ください。
その他 イベントデータを用いた設定例は、「設定例」をご覧ください。

4.6.1.2 設定方法#

次の手順で、イベントデータの設定を行うことができます。

  1. 出力ポートが存在する任意のコンポーネントを追加します。コンポーネントの追加方法は、「コンポーネントの追加」をご覧ください。

  2. 追加したコンポーネントを起動し、データを出力させます。コンポーネントの起動方法は、「コンポーネントの起動/停止」をご覧ください。

  3. イベントデータを追加します。コンポーネントの追加方法は、「コンポーネントの追加」をご覧ください。

  4. 入力ポートに接続するコンポーネントに、追加したコンポーネントを選択します。

  5. 次のコンポーネント情報を入力します。

    項目 説明
    名称 コンポーネントの名前を入力
    ※他のコンポーネント名と重複する事はできません。
    自動起動無効 コンポーネントの自動起動を無効にする場合ON
    同一イベントを無視する時間(秒) 同一イベントを無視する時間を入力
  6. 「設定方法」を、次の中から選択します。

    項目 説明
    データ定義を受信して設定する 入力ポートで受け取っているデータを一覧で表示し、個別に設定を行う
    正規表現で設定する 正規表現を入力し、入力ポートで受け取っているデータの中でマッチしたものに対して設定を行う
  7. 次の項目を入力し、イベント条件を設定します。

    項目 説明
    コンポーネント 入力ポートで受け取っているデータのうち、設定対象とするもののコンポーネント名を表す正規表現
    ※設定方法が「正規表現で設定する」の場合のみ入力可能
    データ名 入力ポートで受け取っているデータのうち、設定対象とするもののデータ名を表す正規表現
    ※設定方法が「正規表現で設定する」の場合のみ入力可能
    トリガ名 トリガの名前を入力
    条件種別 True:条件式が真ならトリガ発生
    False:条件式が偽ならトリガ発生
    Fall:条件式が真→偽の際にトリガ発生
    Raise:条件式が偽→真の際にトリガ発生
    Anytime:値の登録時に発生
    条件式 トリガの条件式を入力
    ※条件種別がAnytimeの場合入力不可

    正規表現の入力例

    正規表現の入力例は次の通りです。

    • 「data1」にのみマッチ: data1
    • 名前に「abc」を含むデータにマッチ: .*abc.*
    • 名前が「abc」で始まるデータにマッチ: abc.*
    • 名前が「abc」で終わるデータにマッチ: .*abc
  8. 「保存」を押下します。

  9. コンポーネントを起動します。コンポーネントの起動方法は、「コンポーネントの起動/停止」をご覧ください。

4.6.1.3 設定例#

イベントデータの設定例は次の通りです。ここではまず、リソースコレクタを用いてCPU使用率を収集します。そこにイベントデータを用いて、CPU使用率が20%を超える場合のみ新たに別データとして登録されるようにします。

  1. 事前に、コレクタを追加します。ここでは"resrc"という名前のリソースコレクタを作成し、cpu使用率を出力するように設定します。

  2. イベントデータのアイコンを、パネル上にドラッグアンドドロップします。

  3. 入力ポートに繋げるコンポーネントを選択します。今回は、"resrc"という名前のリソースコレクタを選択します。

  4. 次の項目を入力し、保存を押下します。

    項目 説明
    名称 イベントデータ1
    自動起動無効 OFF
    同一イベントを無視する時間(秒) 60
    設定方法 データ定義を受信して設定する
    コンポーネント resource
    データ名 cpu_usage
    トリガ名 trigger1
    条件種別 True
    条件式 $VALUE > 20
  5. リソースコレクタからcpu使用率を受け取り、20%を超えたときに、新たに別データとして登録されます。登録されたデータは、出力ポートから出力されます。

4.6.2 イベントトリガ#

収集したデータを条件判定し、条件合致している区間の情報を出力するコンポーネントです。

4.6.2.1 基本情報#

イベントトリガの基本情報は、次の通りです。

項目 説明
ベース名 イベントトリガ
説明 収集したデータを条件判定し、条件合致している区間の情報を、データとして出力します。入力ポートの「イベントを使用する」と組み合わせて使うコンポーネントです。イベント中のデータをフローリンク先へ伝達するには、別途フローリンクを接続する必要があります。元データを別で登録するイベントデータとは違い、イベント区間の情報を登録するためメモリ使用量などは抑えれます。
消費ポイント 2
ポート 入力:1
他のコンポーネントからデータを受け取ります。

出力:1
受け取ったデータを条件判定し、条件に合致したかどうかを真偽値として出力します。

システム:1
コンポーネントの稼働状況やエラー情報を出力します。出力するエラー情報の詳細は、「エラーコード一覧」をご覧ください。
その他 イベントトリガを用いた設定例は、「設定例」をご覧ください。

4.6.2.2 設定方法#

次の手順で、イベントトリガの設定を行うことができます。

  1. 出力ポートが存在する任意のコンポーネントを追加します。コンポーネントの追加方法は、「コンポーネントの追加」をご覧ください。

  2. 追加したコンポーネントを起動し、データを出力させます。コンポーネントの起動方法は、「コンポーネントの起動/停止」をご覧ください。

  3. イベントトリガを追加します。コンポーネントの追加方法は、「コンポーネントの追加」をご覧ください。

  4. 入力ポートに接続するコンポーネントに、追加したコンポーネントを選択します。

  5. 次のコンポーネント情報を入力します。

    項目 説明
    名称 コンポーネントの名前を入力
    ※他のコンポーネント名と重複する事はできません。
    自動起動無効 コンポーネントの自動起動を無効にする場合ON
    同一イベントを無視する時間(秒) 同一イベントを無視する時間を入力
    基本記録時間(分) 基本記録時間を分単位で入力
  6. 開始イベントの「設定方法」を、次の中から選択します。

    項目 説明
    データ定義を受信して設定する 入力ポートで受け取っているデータを一覧で表示し、個別に設定を行う
    正規表現で設定する 正規表現を入力し、入力ポートで受け取っているデータの中でマッチしたものに対して設定を行う
  7. 次の項目を入力し、開始イベントを設定します。

    項目 説明
    コンポーネント 入力ポートで受け取っているデータのうち、設定対象とするもののコンポーネント名を表す正規表現
    ※設定方法が「正規表現で設定する」の場合のみ入力可能
    データ名 入力ポートで受け取っているデータのうち、設定対象とするもののデータ名を表す正規表現
    ※設定方法が「正規表現で設定する」の場合のみ入力可能
    トリガ名 トリガの名前を入力
    条件種別 True:条件式が真ならトリガ発生
    False:条件式が偽ならトリガ発生
    Fall:条件式が真→偽の際にトリガ発生
    Raise:条件式が偽→真の際にトリガ発生
    Anytime:値の登録時に発生
    条件式 トリガの条件式を入力
    ※条件種別がAnytimeの場合入力不可

    正規表現の入力例

    正規表現の入力例は次の通りです。

    • 「data1」にのみマッチ: data1
    • 名前に「abc」を含むデータにマッチ: .*abc.*
    • 名前が「abc」で始まるデータにマッチ: abc.*
    • 名前が「abc」で終わるデータにマッチ: .*abc
  8. 終了イベントを設定する場合、「終了イベント」をONにします。

  9. 終了イベントを設定する場合、終了イベントの「設定方法」を、次の中から選択します。

    項目 説明
    データ定義を受信して設定する 入力ポートで受け取っているデータを一覧で表示し、個別に設定を行う
    正規表現で設定する 正規表現を入力し、入力ポートで受け取っているデータの中でマッチしたものに対して設定を行う
  10. 終了イベントを設定する場合、次の項目を入力し、終了イベントを設定します。

    項目 説明
    コンポーネント 入力ポートで受け取っているデータのうち、設定対象とするもののコンポーネント名を表す正規表現
    ※設定方法が「正規表現で設定する」の場合のみ入力可能
    データ名 入力ポートで受け取っているデータのうち、設定対象とするもののデータ名を表す正規表現
    ※設定方法が「正規表現で設定する」の場合のみ入力可能
    トリガ名 トリガの名前を入力
    条件種別 True:条件式が真ならトリガ発生
    False:条件式が偽ならトリガ発生
    Fall:条件式が真→偽の際にトリガ発生
    Raise:条件式が偽→真の際にトリガ発生
    Anytime:値の登録時に発生
    条件式 トリガの条件式を入力
    ※条件種別がAnytimeの場合入力不可

    正規表現の入力例

    正規表現の入力例は次の通りです。

    • 「data1」にのみマッチ: data1
    • 名前に「abc」を含むデータにマッチ: .*abc.*
    • 名前が「abc」で始まるデータにマッチ: abc.*
    • 名前が「abc」で終わるデータにマッチ: .*abc
  11. 「保存」を押下し、設定を保存します。

  12. コンポーネントを起動します。コンポーネントの起動方法は、「コンポーネントの起動/停止」をご覧ください。

  13. イベントトリガで設定したイベントを、他のコンポーネントがデータを受け取る際の条件判定に使用することができます。詳細は「入力ポート」の「イベントの設定」をご覧ください。

4.6.2.3 設定例#

イベントトリガの設定例は次の通りです。ここではまず、リソースコレクタが収集したCPU使用率をCSVシリアライザで加工するように設定します。そこにイベントトリガを用いて、CPU使用率が20%を超える場合のみ加工が行われるようにします。

  1. 事前に、コレクタを追加します。ここでは"resrc"という名前のリソースコレクタを作成し、cpu使用率を出力するように設定します。

  2. 左メニューの中からイベントトリガのアイコンをドラッグし、パネル上にドロップします。

  3. 入力ポートに繋げるコンポーネントを選択します。今回は、"resrc"という名前のリソースコレクタを選択します。

  4. 次の項目を入力し、保存を押下します。

    項目 説明
    名称 イベントトリガ1
    自動起動無効 OFF
    同一イベントを無視する時間(秒) 60
    基本記録時間(分) 5
    設定方法 データ定義を受信して設定する
    コンポーネント resource
    データ名 cpu usage
    トリガ名 trigger1
    条件種別 True
    条件式 $VALUE > 20
    終了イベントを設定する ON
    設定方法 データ定義を受信して設定する
    コンポーネント resource
    データ名 cpu_usage
    トリガ名 trigger1
    条件種別 False
    条件式 $VALUE > 20
  5. 左メニューの中からCSVシリアライザのアイコンをドラッグし、パネル上にドロップします。

  6. 任意の設定項目を入力し、保存を押下します。

  7. リソースコレクタ・イベントトリガの出力ポートと、CSVシリアライザの入力ポートを、フローリンクでつなぎます。

  8. CSVシリアライザの入力ポートを右クリックします。

  9. 「イベントを使用する」にチェックを付け、「イベント」で"イベントトリガ1"を選択し、保存を押下します。

  10. この状態で、コンポーネントを稼働させることで、リソースコレクタが収集したCPU使用率が、20%を超えた場合のみ、CSVシリアライザによってCSVファイルに加工されます。